R.E.060
世界各地のニュード汚染地からある奇妙な現象が報告されるようになる。地中深くに埋蔵されているはずのニュードの結晶が次々と析出し、地表一面を覆い始めたのだ。同時多発的に未曾有の速度で拡大するニュード汚染を止める術はなく、数々の採掘場が結晶の海に沈んでいった。
『ニュード・ブロウアウト』
原因不明の怪現象をそう命名したマグメルは、事態収束と原因究明のため全世界からのボーダー招集を決定。ニュード汚染拡大阻止のための一大プロジェクト、「ニュード・スクランブル」作戦がここに開始されることとなった。
ボーダー達に課せられた作戦目標は「可能な限り多くのニュードを回収する」、ただ一点のみ。最終的にニュードを集めさえすればその手段は一切問われることはなく、さらに各自の成果は「スクランブルランク」という独自査定の元に厳格に序列化される。
つまり回収作戦の実態とは他のボーダーからの強奪すらも許される非情な争奪戦であり、「エイジェンに対抗できるより強いボーダーを生み出し選出する」というマグメルのもう1つの狙いがここにあったのである。